賛成・反対なのか?

「義務教育の段階に相当する多様な教育機会の確保に関する法律案」に対する反対要望書が12月21日に提出されたそうだ。http://ftk.blog.jp/

不登校を考える会・広島では、この法案に対して「賛成・反対」の意志表明を出していない。

(*会員は個々に意見表明をしている)

私は活動の中で、「子どもが自分の家を居場所にして安心して生活できるように」と話してきた。

それは、不登校児の親であった経験と、わが子の意思表明があったからだった。

その生活は、我が家では居心地の良いものであったし、親子共々学びも多かった。

だが、それは20年前〜10年前くらいの時代に合っていたからではないかと思っている。

この10年(わが子たちが義務教育を終えた頃から)不登校施策がどんどん進み、多様な教育が考えられるようになり、学校の考え方も日々進んでいる。(良くも悪くも)

SSWとして学校に勤務するようになり現実を見ていくと、「子どもが自分の家を居場所にして安心して生活できるように」支援することはかなり難しいことがわかった。

それは、私がわが子の不登校を経験していた時と社会情勢が変化していることにも関係していると思われる。

また住んでいる地域での格差も大きい。大都市圏での支援の形や市民の意識は地方ではほとんど浸透していない。

中央で今回のような政策を作られても地方では何のことかわからない人がほとんどだと思う。

ネットワーク(…というか私)がやってきた活動って、何だったんだろう?

これほど不登校についての考え方に地域格差がついてしまったことに対して、私たちは何も手を付けてこられなかった。都市部の子どもたちを救えたかもしれなかったけれど、地方の子どもたちと親たちはどんどん疲弊していった。私はそれを伝えることさえできてこなかった。

成立しそうな政策に反対するよりも、成立後にどのように使っていくかを考えたほうがいいのではないか?

私は前職でいくつか新しい政策の担当になったけれど、どれも施行後は言われた通りには動けなかったがどんどん改正されていき、何とか使える政策に変わっていった。法律は、成立しても流動的なのだ。

成立後、どのように法律を扱っていくのかのほうが、大きな問題ではないか?

私はネットワークが「施行後に意見が言える団体に育っていないこと」のほうが心配である。

地方にいる私たちは何をするべきなのだろう・・・

賛成・反対で議論するのではなく・・・