居場所で出会った若者とのはなし。
その人は中学生で不登校になった。悩んで苦しんで、行きたいのに行けない状態になって、家にこもるようになった。フリースクールなどにも行ってみたけれどすぐやめた。ずっと家で過ごしてきたけれど、家の居心地もいいとは思えず外に出て時間をつぶすようになった。寒い日でも暑い日でも時間構わず外に行くのだが、それがいいのか悪いのかわからない。体調もいいのか悪いのかわからない。仕事もしてみるけれど続かない。そんな暮らしをしてきたけれど、今では自分なりのペースがつかめてきて、一年の自分のパターンがわかってきたそうで春夏秋冬の過ごし方が決まりつつあるそうな。
その人はあるフリースクールのパンフレットを見ていて「(支援により)自信がつく」→「自立できる」というところが目に留まり、これは人に教えてもらってできるようになることなんかいな?と言って頭を傾げた。自分は必要なことは自分でやってきて、一応の生活スキルは持っていると思う。掃除も洗濯もできるしご飯も自分で作って食べるし。自立ってなんなん?
その人は学校に追い詰められ福祉の支援を受けるようになって、いろいろな立場の人と話をするようになった。その中で「自立」ということを考えているようだ。今の生活をいいとも悪いとも思っていなくて、自分でできることは自分で、できないところは誰かに頼る誰かに話すということができるようになってきている。
「時間構わず外に出ていろいろな人と話をするようになったけど、みんな名前知らないんだよね。海の人だったり山に人だったり、外国の人だったりだけど。顔見知りってだけで、でもみんなにいろいろなことを教えてもらってる」
いろいろな知識が広いのはそのおかげ?自分のこともよくわかっているのもいろいろな人と話をするから?誰かに頼ってもいいと思えるようになったのも不登校のおかげ?
自立してるね・・・
いろいろな若者が思いを話してくれる居場所は、私には学びの場所です。