「NHK 不登校追跡調査」で思うこと その�A

昨日のつづき。

Q6.2つめは、その後の進路は開かれつつあるが、ということですが、どういうことなんでしょうか?

A6.調査では、5年後の進路について尋ねています。

半数近くが学校に通っていると答えています。中でも、大学や短大がもっとも多く23%にのぼります。同じような調査が18年前にも行われていますが、当時と比べると、倍の割合の若者が学校に通うようになっていました。とりわけ、大学・短大の伸びが目立ちます。

 

Q7.どうしてそれだけ進学する人が増えたのですか?

A7.学校には通っていないけれど、学校以外の公的な受け入れ施設や民間のフリースクールで勉強したり、自宅でインターネットを使うなどして学習を続けていたりすれば、出席したとみなされ、進学への道が開かれたからです。実際に私が知っているケースでは、高校まで不登校を続け、学校外の施設で学んでいたけれど、大学に進んだとたん、自由な校風になじんで自ら進んで学ぶようになり皆勤賞を通し、学長表彰を受けた学生もいます。

 

Q8.環境が変わると学校に通えるということですね?

A8.そうした前向きなケースが進学率の伸びにつながっているようです。しかし、伸びたと言っても、同世代の大学・短大への進学率が55%なのに比べるとまだ開きがあります。一方で、若者の雇用環境が厳しいことを反映してか、現在、正社員として働いている人は10%にとどまり、18年前調査と比べると半分程度の割合に落ち込んでいます。進路が開かれたとは言っても、本人の努力だけではどうにもならない部分もあり、さらに社会的な支援が必要です。 

pict:symbol2中学校を卒業した後の進学の選択肢は非常に増えた。「不登校ビジネス」と言われる教育施設も増えた。

それゆえに、義務教育を終えてやっと一息つける・・・と思った子どもたちが、次の進路を選ばざるを得ない状態になっている。高校への進学が義務教育並みになっている現在、学校も親たちも高校への進学は当たり前のことだと思い込んでいる。子どもたちもそう思い込まされている。

高校へ進学できれば、大学への推薦をしてもらえる可能性もぐんと増える。不登校をしながらも、大学を卒業し学歴を得る可能性も大きくなるわけである。

大学卒業できれば就職もでき、自立できる。そうなればもう安心である?

小学校・中学校で疲弊した子どもたちの気持ちはいつ、どこで癒されるのだろう。

大人が励まし続けて得た学歴は、子どもの生きていくための力になったのだろうか?

自分から行動する力、自分で自分の人生を切り開いていく力はどこで得られていくのだろうか?