やりたいこと ないですか?

「そこでは何をしてくれるのですか?」

居場所を開設してから、よく聞かれる。

「私たちからは何もしません。あなたのしたいことを一緒にしましょう」と言うと困惑される。

子どもたちは、日々「やらなければいけないこと」「やるべきこと」に追われている。

「本当はこれをしたいのに…」と思いながら大人に勧められたこと、大人が決めたことをやっている。

疲れ果てて学校に行けなくなっている子どもは、いつも思っていた「やりたいこと」をするだけのエネルギーをもうもっていない。

学校にも行っていないのに、自分のしたいことをやりたいなんて言う勇気もない。

まわりの大人も「まず、学校へ行くことでしょ」と励ます。

安心してエネルギー充電ができないままでは、いつまでたっても動き出せない。

それは、学校には行かないけれど、自分のしたいことをしてエネルギーをためていった子どもたちをたくさん見てきたから言えることである。

会で開催してきた「子どもの会」や「マンガ・イラスト教室」などに参加してきた子どもたちを見ていてもそう思う。参加したほとんどの子どもが自分が学びたいと思う進路を選んでいっているからだ。

不登校の子どもたちは、ただ学校へ行っていないだけで決してダメな子どもではない。

きっと「やりたいこと」をもっているはずである。

それがゲームであろうと、コスプレであろうと、料理であろうと、野外活動であろうと、山登りであろうと、世界一周であろうと、起業であろうと、どうすればやりたいことが現実になるかを一緒に考えて、できる限りつき合いたいと思っている。

そんな中で、必要だと思えば学校へ行くこともあるだろうし、資格を取ることを考えるかもしれない。

学校へ行っていないと社会で生きていけないということはない。

大人の思考が子どもたちの成長を邪魔している。

自分が「やってみたいこと」から始まることもあるのだ。

誰かが「何かすること」を持ってきてくれることはない。

自分で「何か」を探していくことが生きるということではないのか。

せっかく自由に使える時間ができたのだから、私たちと一緒に「何か」を探してみませんか?