不登校 「親の会」 不登校はQOLの問題

文部科学省が3月31日に発表した『不登校対策 COCOLOプラン

令和5年6月16日 閣議決定された『教育振興基本計画』(不登校については57ぺーじあたり)

内容は概ね以前から出されていた不登校支援と同じようなものですが、今回注目するべきなのは『保護者の支援』(一人で悩みを抱え込まないよう保護者を支援)が文章で入ったというところです。

 

今まで不登校支援というと、子どもをどうやって学校に来させるか?学習をどうするか?進路はどう考えるのか?などと子どもと学校中心の支援ばかり考えられてきました。・・・が不登校児の数は毎年毎年増えるばかり。

私がSSWをしていた時も、学校からは「どうすれば子どもが学校に来るようになるのか?」と答えを求められ、保護者からは「勉強が遅れる」「家で何もしないで過ごしている」「どうすれば登校できるようになるのか」などと問われ続けてきました。学校も保護者も子ども中心に考えているようで考えていないかもしれませんね。学校に来れば学校は安心し、学校に行けば保護者は安心します。登校すれば解決と思いたいですね。

長年「親の会」でたくさんの保護者とお会いしてきて、「不登校は子どもが納得したときに次のステップに進めるんだ」ということを学んできました。学校に行くこと行かないことを自分で選んで決めた時に、また一歩を踏み出そうとする子どもがたちの姿をたくさん見てきました。

自分の道を自分で選んで決心して進もうとする子どもを支えサポートしていくのは、まずは保護者であり家庭です。不登校はQOL(生活の質)の問題なのです。

「親の会」は不登校児との毎日の生活の方法や子どもとの付き合い方、そこから発生する問題、親としての悩み、家庭の悩みなどを話し合い、共感しあい、支えあっていこうとする活動です。最近は発達障害、ひきこもり、ひとり親家庭、そのほか福祉的な問題などなど様々な相談内容になってきています。

 

COCOLOプランでは、「相談窓口設置。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが保護者を支援」と書かれています。今後、教育委員会や各学校な保護者支援支援が始まるかもしれません。でも学校行政側が作るものは当然「学校目線」になってしまいます。私たち保護者は長年この「学校目線」にとてつもなく苦しめられてきました。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも学校側の人ですから、本当の不登校の苦しみ、しんどさが理解できていない人には支援はむずかしいと思います。当然学校目線の支援になり、教科書通りの支援の方法を伝えられ、子どもの状態が悪くなったという相談は数知れずです。

 

今回、文科省も「保護者の支援に力を入れたいと考えている」ということも登校拒否・不登校を考える全国ネットワークの研修などでも聞いています。学校行政だけでは追い付かなくなってきていることと、民間の力と協力して多様な支援をしていこうとしています。「学校と子ども」だけから「保護者」巻き込んで不登校支援をしようとする視点は大変ありがたいと思います。今までは民間の支援先は「フリースクール等」の「等」の中に親の会が引っ掛かっていた程度だったのですが、今回やっと「親の支援・親の会」という言葉が出てきました。

不登校の保護者の団体なども増えてきて、全国各地で様々な活動が広がっています。

保護者はいつまでも弱い立場ではないのです。子どもを守っていくためにいろいろな人たちを巻き込んで動いていけますよ。がんばりましょう!